独自動車部品大手のボッシュは14日、シュツットガルト近郊のレニンゲンに新しい研究キャンパスを開設した。シュツットガルト圏の3カ所に分散していた研究開発拠点を1カ所に集約し、分野を超えた協力を促進する。同キャンパスでは約1,700人が研究開発に従事する。
新しい研究キャンパスへの投資は約3億1,000万ユーロ。ボッシュの研究員約1,200人と博士課程の学生や実習生の500人が研究開発に取り組む。分野は電子工学、機械工学、コンピューターサイエンス、分析論、化学、物理、生物学、マイクロシステム技術などと幅広い。また、研究開発のテーマもソフトウエア開発、センサー技術、自動化技術、運転支援システム、バッテリー開発と多岐に渡る。
ソフトウエア開発では、特にモノのインターネット(IoT)に関する研究の重要性が高まっているという。このためボッシュはソフトウエア開発で人員を増やしており、現在はボッシュグループ全体で1万5,000人以上のソフトウエア開発者を抱えている。うち約3,000人の専門家がモノのインターネット(IoT)に関する開発に携わっているという。
■ 起業家精神を強化
ボッシュのフォルクマー・デナー社長は新キャンパスの開設に際し、「ドイツには起業の機会と意欲が欠けている。特に若い大学卒業生に、我々は起業家精神を求めている。この点において、大学は学生に対し高度な専門分野の試験準備以上のことを教えなければならない」と述べ、ボッシュは今後の競争力強化に向け起業家精神の強化を重視していく意向を示した。