欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2015/10/30

総合 – 自動車産業ニュース

EU加盟国、実走行の排ガス試験を17年9月から導入で合意

この記事の要約

欧州連合(EU)加盟28カ国は10月28日、自動車技術委員会(TCMV)の協議で2017年9月1日から域内で販売される乗用車の新型モデルを対象に実走行による排ガス試験(RDE:real driving emissions […]

欧州連合(EU)加盟28カ国は10月28日、自動車技術委員会(TCMV)の協議で2017年9月1日から域内で販売される乗用車の新型モデルを対象に実走行による排ガス試験(RDE:real driving emissions)を導入することで合意した。

これにより、2017年9月1日から加盟各国の当局が実施する型式認定にRDE試験の導入を義務付ける。また、2年後の2019年9月からはEU内で販売されるすべての新車に対象を拡大する。

ただ、試験場での排ガス規制基準を短期的に実走行試験にも適用することは、自動車産業にとって技術的に対応が難しいことから、RDE試験の数値が試験場での上限値を上回ることを認める許容範囲を設けることでも合意した。許容範囲は2段階に分けて厳格化していく内容で、19年末までは最大2.1倍まで、20年1月以降は最大1.5倍までの超過を認めることで合意した。

欧州委員会によると、排ガス基準「ユーロ6」に適応した現在のディーゼル車では、試験場と実走行で窒素酸化物(NOx)の排出量を比較した場合、平均で4~5倍の差がある。なお、VWが不正なソフトウエアを搭載したディーゼル車では、試験場では排ガス基準をクリアするものの、通常の運転時には、NOxの排出量が基準値の40倍になることもあることが判明した。

今回合意した内容は今後、欧州議会とEU閣僚理事会が審議する。

COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |