BMWとトタル、アドブルーの実証試験を開始

仏石油大手トタルのドイツ法人と独自動車大手のBMWグループは1月21日、ディーゼル車の排ガス処理システムで使われる尿素水「アドブルー(AdBlue)」の供給スタンドの実証試験を開始した。ベルリンとミュンヘンにある3カ所のガソリンスタンドで実施する。

BMWはディーゼル車で排ガス基準「ユーロ6」をクリアするための排ガス処理装置としてメンテナンスをする必要のない窒素酸化物(NOx)吸蔵触媒還元システム(NSC)を基盤として採用している。

ただ、車両のコンセプトや駆動装置によっては、NSCにアドブルーを使用する選択触媒還元(SCR)システムを組み合わせている。SCRシステムでは、アドブルーを噴射するためのタンクが付いており、今回の実証試験ではこのタンクにアドブルーを補充するための供給スタンドの使いやすさや経済性などを調査し、今後の開発に役立てる。

独自動車工業会(VDA)によると、アドブルー用補助タンクを装備したSCRシステムを採用したドイツの自動車メーカーが販売するクリーンディーゼル車は、2020年までに2,000万台を超えると試算している。このため、車両タイプやドライバーの走行スタイルによっては、修理工場による通常の車検サービスだけではアドブルーの補充が難しいと予想されている。

トタルはすでに商用車向けのアドブルー供給スタンドを運営している。今回のプロジェクトでは、乗用車向けの供給スタンドを実証試験し、使いやすさなどを研究する。

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