独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は13日、ドイツ人工知能研究所(DFKI)に資本参加すると発表した。これにより自動運転や生産・業務工程のデジタル化など将来技術の研究開発を強化する。
DFKIは1988年の設立で、従業員数、外部資金(2015年:4,250万ユーロ)において人工知能の分野では世界最大規模の研究所とされている。現在は世界60カ国を超える国籍の750人以上が同研究所でソフトウエアの研究に従事しており、機械学習、自動化システム、ロボット工学、データ分析、仮想現実、高度生産システムなどのテーマに取り組んでいる。
VWとDFKIはこれまでにもさまざまなプロジェクトで協力した経験があり、例えば、ドライバーの疲労度を認識するシートセンサーなどを共同開発した実績がある。
今回の資本参加により、VWはDFKIの監査役会に1人を派遣することになり、DFKIの技術・研究に関するロードマップの策定などに積極的に参加していく。また、DFKIとの協力関係強化により、最先端のイノベーション技術の実用化を加速することができると期待している。
VWとDFKIは今後、人とロボットの共同作業を可能にするソフトウエア「ROCK」の開発などで協力する。「ROCK」では、センサーによる環境認識、衝突防止、ジェスチャーによる直観的な操作などの研究に取り組む。