BMW、メキシコ工場を着工

独自動車大手のBMWは6月16日、メキシコ中部のサン・ルイス・ポトシで新工場の鍬入れ式を行った。新工場ではBMW「3シリーズ」を生産する。新工場の生産能力は年15万台で、2019年に生産を開始する予定。建設投資は約10億米ドル。従業員数は1,500人以上を予定している。

新工場は車体製造や塗装設備、組み立てラインを持つ一貫生産工場となる。人材育成をすでに開始しており、2015年9月にはメカトロニクスを専門とする従業員25人が研修を開始した。2019年までにドイツのミュンヘン工場でメキシコ工場の従業員500人以上を研修生として受け入れる予定。

BMWは世界4大陸14カ国に31の工場を持つ。アメリカでは米国のサウスカロライナ州スパータンバーグに工場を持っている。同工場ではSUVモデルの「Xシリーズ」を生産しており、将来は「X7」も生産する計画。

南アフリカのロスリン工場では将来、生産モデルを「3シリーズ」から「X3」に切り替えるため、メキシコ工場はロスリン工場の生産を補足する役割も担う。

■ メキシコの自動車販売、15年は約17増加

メキシコへの生産進出は、同国が北米自由貿易協定(NAFTA)圏にあり、さらに欧州連合(EU)や南米南部共同市場(メルコスール)加盟国と貿易協定を結んでいることが大きな利点となる。

BMWはメキシコには1994年に販社を設立して進出。2015年には同国で前年比約17%増の1万7,475台を販売した(BMW:1万2,170台、MINI:5,305台)。同年の自動二輪の販売は15.2%増の2,615台だった。

また、2008年にはメキシコに調達センターを開設している。同国における2015年の調達規模は25億米ドルを超え、前年比では約18%増加した。メキシコの調達センターは長期的にサン・ルイス・ポトシを拠点とする予定。

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