独高級車大手のBMWは9月22日、電力大手のバッテンフォール、自動車部品大手のボッシュとの共同プロジェクト「バッテリー・セカンド・ライフ(Battery 2nd Life)」で、ハンブルク港に設置した定置用電池設備の試験運用を開始した。電気自動車に搭載されたリチウムイオン電池を定置用電池として再利用するプロジェクトで、発電量にバラツキのある再生可能エネルギーを蓄電し、需要に応じて有効利用することを目指す。
この定置用電池は、2,600のバッテリーモジュール(電気自動車100台分以上の使用済みリチウムイオン電池)を使用している。出力は2メガワット(MW)、容量は2,800キロワット時(kWh)で、平均的な2人構成の一般世帯で7カ月の電力需要に対応できる。ただ、この定置用電池に充電した電力は、バッテンフォールが他の電力設備の電力と合わせて電力市場で販売する。
「バッテリー・セカンド・ライフ」は2013年に開始しており、ハンブルク港の定置用電池は開発期間を終えて、今回の試験運用に入った。プロジェクトの実施期間は5年で、ハンブルク港の他にも、使用済み電池を再利用した定置用電池プロジェクトを2カ所で実施している。1件目は、ハンブルクのハーフェンシティ地区で2014年9月から稼働している急速充電設備用の充電池。もう1件は、同地区にあるバッテンフォールの熱供給施設の太陽光発電設備用充電池として稼働している。