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2016/11/25

企業情報 - 自動車メーカー

VW、競争力強化に向けた将来協定で労使合意

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は18日、VWの取締役会と中央事業所委員会(従業員の代表機関)がVWブランドの収益改善に向けた「将来協定」に署名したと発表した。世界全体で従業員数を最大3万人減らすなどコストを削減 […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は18日、VWの取締役会と中央事業所委員会(従業員の代表機関)がVWブランドの収益改善に向けた「将来協定」に署名したと発表した。世界全体で従業員数を最大3万人減らすなどコストを削減する一方、デジタル技術やエレクトロモビリティなど将来の成長分野に今後数年で約35億ユーロを投資し、9,000人の雇用を創出する。これらの構造改革を通して、純粋な自動車メーカーから、デジタル技術とエレクトロモビリティの時代におけるモビリティサービス提供者へと転換を図る。

コスト削減では、2020年から世界全体で年37億ユーロのコスト改善効果を見込んでいる。うちドイツ国内では、最大2万3,000人の人員削減に加え、生産性の改善などにより、2020年から年30億ユーロのコスト削減を計画する。人員削減は、自然減や年配社員向けのパートタイム制度(Altersteilzeit)導入により対応し、2025年末まで経営上の理由による解雇を行わないことで合意した。

■ 国内で電気駆動車と部品生産、バッテリーセルの試験生産施設も

国内工場では、電気駆動車の生産や電気駆動車向けの部品を生産する計画で、バッテリーセルとバッテリーモジュールの試験生産施設も国内に整備する。従来の事業においても将来の競争力強化に向けた改善を図る計画であり、これらの構造改革に35億ユーロを投資する予定。

具体的には、ボルフスブルク工場とツヴィッカウ工場でエレクトロモビリティに特化したプラットフォーム(MEB)をベースにした電気駆動車を生産する。エムデン工場では、生産モデルを1モデル増やし、稼働率を改善する。ボルフスブルク工場でも将来、生産モデルを増やす計画。

部品生産では、ブラウンシュヴァイク工場でプラットフォーム「MQB」向けのバッテリーシステムを引き続き生産するとともに、「MEB」向けバッテリーシステムの生産が加わる。カッセル工場では「MEB」向けの駆動装置を、ザルツギッター工場では、MEB向け駆動装置の部品を生産する。ザルツギッター工場では、バッテリーセルとセルモジュールのパイロットプラントを整備する計画もある。

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