独エルリングクリンガー、エレクトロモビリティ事業強化

独自動車部品大手エルリングクリンガーのシュテファン・ヴォルフ社長はこのほど、独業界紙『オートモビルボッヘ』に対し、同社のエレクトロモビリティ分野の売上高が2025年には全体の30%に拡大するとの見通しを示した。2015年は全体の僅か1%にすぎず、赤字であったという。

ヴォルフ社長は、エレクトロモビリティ分野で利益を確保できないのは、受注規模が小さいため、と説明する。同分野では今後3年間は大きな利益を得ることはできないが、同分野における我々のノウハウを示すため、継続しなければならない、ともコメントした。

ヴォルフ社長によると、同社では現在、内燃エンジン向けの部品が売上高の90%を占めている。同社長は、内燃エンジン車の大幅な減少は2021年以降になると予想しており、内燃エンジン車の減少に伴い、長期的には、シリンダーヘッドガスケット分野が完全に消滅すると見込んでいる。同分野は現在、売上高全体の14%を占めている。

■ エレクトロモビリティ分野を強化

エルリングクリンガーが生産するエレクトロモビリティ分野の部品には例えば、米国でこのほど大型受注を獲得したコックピット・クロスカービームなどがある。同社の製品は、金属と樹脂を組み合わせた構造で、鋼鉄製の従来製品に比べ大幅に軽くなる利点があり、エレクトロモビリティの航続距離拡大に寄与する。

また、エルリングクリンガーは2016年10月に、独エンジニアリング会社のホーファーに資本参加すると発表した。エルリングクリンガーは、ホーファーのハイブリッド車や電気自動車の駆動システムに関するノウハウを取得し、代替燃料車分野の事業を強化する狙い。ホーファーは現在、スポーツカーや高級車分野の小規模生産に重点を置くが、ヴォルフ社長によると、将来はホーファーの技術を活用し、中級車やコンパクトカーセグメントの駆動部品にも事業を広げていく意向という。

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