独SGL、炭素繊維の生産を2工場に集約

独炭素製品大手のSGLグループは1月10日、炭素繊維の生産を米ワシントン州のモーゼスレイク工場(独高級車大手BMWグループとの合弁工場)とスコットランドのミュアー・オブ・オード工場の2工場に集約すると発表した。これに伴い、米ワイオミング州エバンストンにある工場(従業員数:約50人)を三菱レイヨンの米子会社(出資比率100%)に売却する。

ミュアー・オブ・オード工場では2年間に渡り近代化工事を行った結果、これまで米エバンストン工場で生産していたフィラメント数が24K(24,000本)の炭素繊維を生産できるようになった。SGLは米国と欧州の炭素繊維工場をそれぞれ1カ所に集約し、生産ネットワークの効率化を図る。

SGLと三菱レイヨンは米工場の売却・買収について、2016年12月末に契約を交わしている。当該工場は2017年4月初旬までに三菱レイヨン米子会社の子会社となる予定。エバンストン工場のこれまでの取引契約や顧客は、SGLの他の事業部門が引き継ぐ。

三菱レイヨンは今回の工場買収により、炭素繊維の生産能力を増強し、大型部品の成形に適した炭素繊維(ラージトウ)の需要拡大に対応する。ラージトウは特に、風力発電機用のブレード(翼)向けの需要が伸びているという。

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