VW、電気駆動車などに大型投資・22年末までに340億ユーロ

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは17日、電気駆動車(エレクトロモビリティ)、自動運転、新しいモビリティサービス、デジタル化の分野に2022年末までに340億ユーロ以上を投資する計画を発表した。2018~2022年の5年計画の一環であり、大部分はVWグループのモデルの電動化やハイブリッド化に充てる。VWグループは9月、電気駆動車に関する新戦略「ロードマップE」を発表している。

今回の発表によると、VWグループは、ドイツのツヴィッカウ工場を電気駆動車に特化した工場とする計画で、同工場は、VWグループのプラットフォーム「MEB」をベースにした電気駆動車を量産する欧州では最初の工場となる。

これに伴い、ツヴィッカウ工場で生産しているモデルを他の工場に移管する。「パサート」シリーズの生産は、2018年末からドイツのエムデン工場に、「ゴルフ」シリーズは、次世代モデルからドイツのボルフスブルク工場に集約する。

なお、VWのミュラー社長は、電気駆動車、自動運転、新しいモビリティサービス、デジタル化の分野に注力する一方、現在の収益源となっている現行技術や車両プロジェクトをなおざりにしない方針を強調した。

また、フランク・ヴィッター財務担当取締役は、VWグループの自動車事業における設備投資と研究開発費の割合を大幅に引き下げる方針も明らかにした。2020年から両分野の売上高に対する投資比率をそれぞれ6.0%に引き下げる。2016年の設備投資比率は6.9%だった。

■ 2030年までにVWグループ傘下のすべてのモデルから電気駆動車を販売

VWは9月、電気駆動車に関する新戦略「ロードマップE」を発表した。2025年までに新しい電気駆動車を80モデル以上、発売する。これにより、VWグループのモデルの約4台に1台が電気駆動車となる。また、2030年までに、VWグループ傘下のすべてのブランドの全モデル(約300モデル)で少なくとも1機種の電気駆動車を用意する。

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