自動車向け内装品・シート製造大手の独グラマーは22日、米国の熱可塑性樹脂部品メーカーであるトレド・モールディング・アンド・ダイ(TMD)を買収すると発表した。同日、買収契約に署名した。TMDの資本の100%を取得する。買収価格は約2億7,100万ユーロ。買収手続きは2018年第3四半期に完了する見通し。グラマーはTMDの買収により、北米市場におけるプレゼンスを強化する。また、製品の幅を広げ、ノウハウも拡充する。
TMDは、米オハイオ州のトレドに本社を置く。北米の自動車市場向けに熱可塑性樹脂の内装部品を製造している。2017年の売上高は3億米ドル超だった。従業員数は約1,600人、米国とメキシコに11カ所の拠点を持つ。オハイオとミシガンに開発センターを持っており、約100人のエンジニアが勤務している。熱可塑性樹脂部品の製品開発や、新素材の研究、生産工程などを研究している。
TMD は、米自動車大手3社(ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラー)や米国に拠点を持つアジアのOEMの開発パートナーとなっており、グラマーはTMDの買収により、顧客層を拡大することができる。
グラマーは世界19カ国で事業を展開、約1万3,000人の従業員を持つ。TMDは、グラマーの傘下に入ることで今後、NAFTA(北米自由貿易協定)圏以外にも事業を拡大することができる。