独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車大手アウディは、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)と「インテリジェントなコネクテッドカー(つながる車)」の分野で戦略提携する。両社はドイツ・中国政府間協議の開催に合わせて10日ベルリンで、趣意書に署名した。
アウディと華為技術は今回の提携を通して、インテリジェントなコネクテッドカー分野における共同研究を強化する。スマートシティにおける安全性向上や交通の流れの改善を目標としており、まずは中国市場に集中する。両社はこのほか、自動運転や自動車関連サービスのデジタル化における開発プロジェクトでも協力する。また、両分野の専門技術を強化するため、人材育成プログラムの開発でも協力する。
インテリジェントなコネクテッドカーは、車車間通信や車とインフラとの通信などにより車両周辺の環境に関する情報をやりとりすることができる。このようなシステムの実用化や普及拡大に向けては、高品質で安定したデータ通信が必要となり、徹底した研究や試験を実施する必要がある。
アウディは2017年に中国東部の江蘇省無錫市で実施された「LTE‐V」の初試験に華為技術や中国当局と共に参加している。「LTE‐V」は、公道での車両と周辺インフラとの通信を可能にする技術で、交差点に設置されたビデオカメラや信号システムと車両を連携し、リアルタイムで交通情報を伝達する技術を試験した。2018年9月に無錫市で開催される「世界IoT博覧会」では、当該プロジェクトのさらに幅広い研究成果が披露される予定。