CATL、初の国外工場を独テューリンゲン州に建設

2018年7月13日発行 No.650号

独中東部に位置するテューリンゲン州の経済・学術・デジタル社会省は9日、中国のリチウムイオン電池大手コンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー・リミテッド(寧徳時代新能源科技、CATL)が同州に新工場を建設すると発表した。CATLにとっては初の国外工場となる。CATLはすでに、独自動車大手のBMWから電池セルの契約を獲得している。CATLとテューリンゲン州は同日、ドイツの連邦首相官房で行われたドイツ・中国政府間協議の枠組みにおいて合意書に署名した。

新工場は、高速道路4号線と71号線が交差する工業地域フランクフルタークロイツにある70ヘクタールの敷地に建設する。生産能力は14ギガワット時で、生産、研究・開発、物流機能を持つギガファクトリーとなる予定。CATLは2022年までに2億4,000万ユーロを投資する計画で、600人の新規雇用を予定している。

テューリンゲン州によると、建設用地の決定では、◇ドイツは顧客に地理的に近く、現地の市場ニーズの理解と迅速な対応が可能になる◇ドイツにはBMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)などの欧州の大手自動車メーカーがあり、現地で製品を供給することができる◇欧州におけるバッテリー生産のノウハウを活用することができる――などの点が決め手となった。

CATLは2011年の設立で、国外では、欧州のミュンヘン、パリのほか、日本、米国に拠点を持つ。

独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、CATLの新工場は2021年に生産を開始する見通し。生産能力14ギガワット時は、電気自動車1台当たりに搭載する電池の出力を50キロワット時と仮定した場合、年間で約28万台分の生産能力に相当する。

■ BMW、ドイツ工場から電池セル調達

BMWは9日、CATLから総額40億ユーロの電池セルを調達する契約を締結した。ドイツ工場から15億ユーロ分を、中国では25億ユーロ分を調達する。

BMWはCATLから調達する電池セルを、2021年に発売予定の電気自動車の新モデル「iネクスト」に搭載する。

BMWはこれまでリチウムイオン電池を韓国のサムスン電子の子会社であるサムスンSDIから調達してきた。BMWのハラルド・クリューガー社長は6月29日発行の独経済紙『ハンデルスブラット』に掲載されたインタビュー記事の中で、サムスンとも引き続き良好な協力関係を維持していく方針を示しており、小型電気自動車「i3」向けの電池セルは引き続きサムスンSDIから調達するとみられている。

■ BMW、コバルトを独自調達

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、BMWは将来、電池セルの調達先を3社に拡大する可能性もある。BMWのマークス・デュースマン取締役(調達・サプライチェーン担当)は、「8社と真剣な協議をしている」と述べ、「プロジェクト単位で調達先を決定する」との姿勢を示している。

また、デュースマン取締役によると、電気自動車のバッテリーに必要な材料であるコバルトに関しては、BMWが鉱山企業から独自に購入し、2020年からCATLとサムスンに供給する計画。環境や社会的な基準を順守するためで、コンゴでは児童労働の問題が懸念されるため、同国ではコバルトを購入しない、と説明している。

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