独自動車大手のダイムラーは10月23日、ベルリンで、独スーパー大手のエデカにメルセデスベンツの電動トラック「eアクトロス」を納車した。様々な業種の20の顧客企業が「eアクトロス」を配送業務で実証試験するプロジェクトの一環で、エデカは荷台が冷蔵庫の25トントラックを1年間、実証試験する。ベルリン郊外の倉庫からベルリン市内・近郊のエデカの店舗に食品を配送する。1日あたりの走行距離は150~300キロメートル。2交代制で使用し、食品の積み込み・積み下ろしの際に充電する。
「eアクトロス」の実証試験プロジェクトは2フェーズに分かれており、それぞれに10の顧客企業が参加する。実施期間は合わせて約2年となる。18トン車または25トン車を使用する。業種が異なるため、配送する荷物は食品、建材など様々で、荷台も冷蔵庫のほか、サイロのケースもあるという。ただし、いずれも従来はディーゼルトラックを使用していた配送業務に「eアクトロス」を投入する。
第1フェーズでは9月からすでに、他の顧客が実証試験を開始している。ダイムラーは第1フェーズに参加する顧客企業への納車を年内に終える予定。
今回のプロジェクトは、ドイツ連邦環境省(BMU)と連邦経済・エネルギー省(BMWi)が共同で実施するプロジェクト「コンセプトELV2」の一環として支援を受けている。
ダイムラーは、2021年から都市部における大型量産トラックの走行をゼロエミッション化し、騒音を低減することを目指している。また、電動トラックの経済性をディーゼルトラックと同水準とすることを目指している。