スイス電機大手のABBは11月13日、中国南東部の湾岸都市である廈門市に、同社のあらゆる事業分野を集結したハブ拠点を開設した。同拠点の建設投資は約3億米ドル。面積は42万5,000平方メートルで、従業員3,500人が勤務する。
同拠点には、研究開発、エンジニアリング、生産、販売、サービス、サプライチェーンマネジメント、コーポレート機能が集結している。ABBのウルリッヒ・シュピースホーファー最高経営責任者(CEO)はあらゆる機能を備えたハブ拠点の役割について、「中国の顧客や同国の巨大経済圏構想『一帯一路』に関わる企業に最先端のソリューションを提供していく」と説明する。また、中国政府の産業政策や廈門市および近郊地域の産業立地の競争力強化をサポートしていく意向を示した。
ハブ拠点は第一に、電力関連製品事業(エレクトリフィケーション・プロダクト事業)と発電・送電・配電などのパワーグリッド事業向けの製品・ソリューションの開発・生産に重点を置く。ハブ拠点には、低電電圧システムの研究開発センターや1200キロボルトの超高電圧実験室がある。また、中国では初めてのABBリモートサービスセンターもある。
ABBは11月半ばには、廈門市の国際会議・見本市センターで、エレクトリフィケーション・プロダクト事業、パワーグリッド事業、インダストリアル・オートメーション事業、ロボティクス&モーション事業の4事業部門が出展する顧客向けイベント「ABBカスタママーワールド」を開催。6000人を超える来場者を見込んでいる。
ABBは中国で現在、140都市以上の拠点に従業員1万8,000人を抱えている。うち2,000人は研究開発に従事している。