ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領は12月4~10日まで中国を訪問した。4日夕方に広東省に到着し、最終日の10日には、習近平国家主席と会談した。習近平国家主席との会談では、デジタル技術の発展における倫理的な課題のほか、人権問題もテーマとなった。
ドイツ連邦大統領府の発表によると、シュタインマイヤー大統領は今回の訪中では広東省、四川省、北京を訪れた。広東省では、デジタル化の分野における新技術や経済発展について議論したほか、メカトロニクス技術を学ぶ独・中職業訓練センターを訪問した。四川省の成都大学では学生に向けて講演した。北京では、習近平国家主席および李克強首相と会談した。北京での会談では、人工知能やビッグデータの普及における社会的な課題、電子政府(Eガバメント)などがテーマとなった。
独経済紙『ハンデルスブラット』によると、シュタインマイヤー大統領は習近平国家主席との会談後、デジタル技術の標準化や人権問題について協議した、と説明した。デジタル技術に関しては、倫理的な最低基準について議論することで合意したと明らかにした。また、新疆ウイグル自治区におけるイスラム教徒の少数民族ウイグル族への弾圧についても言及し、懸念を示したという。シュタインマイヤー大統領は「我々は我々の心配事について何度も話し掛けなければならない」とコメントし、「中国で起こっていることは良いことであれ悪いことであれ、我々すべてに関係している」と述べ、中・独間の人権に関する議論が今後も続くことに期待感を示した。