独自動車大手のBMWとダイムラーは、プラットフォームの共通化で協力することを検討しているもようだ。これにより、各社が数十億ユーロのコストを削減できる可能性があるとみられている。3月15日発行の独『南ドイツ新聞』紙が報じたもので、両社とも同紙の取材に対してコメントを控えている。
BMWとダイムラーははすでに、カーシェアリングなどモビリティサービス事業の統合と自動運転分野での協力で合意している。『南ドイツ新聞』紙によると、自動運転に関する協議は6月末までに終了する見通し。
同紙によると、プラットフォームの共通化では当初、小型~中型車までの協力を検討しているという。すでに開発担当取締役である、ダイムラーのオラ・ケレニウス取締役とBMWのクラウス・フレーリッヒ取締役も協議に参加しているもようで、特に、2019年5月の株主総会でダイムラーの次期社長に就任する予定のケレニウス取締役がプラットフォームの共通化に積極姿勢を示しているとされる。将来的には、BMWが小型モデル、ダイムラーが大型モデルのプラットフォームを担当することも議論されているもよう。
BMWは、後輪駆動のプラットフォームでは、同じプラットフォームを使って内燃エンジン車、プラグインハイブリッド車、純粋な電気自動車を生産できるシステムを開発した。これに対し、メルセデスベンツは、電動車用のプラットフォームを開発する戦略をとっており、既存モデルの電動車を生産するためのプラットフォーム「EVA1」と、上級モデル用の電動車に特化したプラットフォーム「EVA2」の2種類がある。
自動車メーカーは、電動化、自動運転、新しいモビリティサービスといった将来の重要分野への投資が増えている。1つのプラットフォームを使って生産する台数が増えればコストを削減することができる。例えば、独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは、グループ共通のプラットフォーム「MQB」を開発し、グループ傘下のアウディやシュコダにも使用する戦略をとっている。このため、VWグループに比べ量産規模の小さいBMWやダイムラーにとってはプラットフォームの共通化における協力が不可避とも見られている。