ボルボ・カーズとPOC、自転車ヘルメットの衝突試験を実施

スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは3日、同国のスポーツ用防具メーカーPOCと共同で、世界初となる自動車と自転車用ヘルメットの衝突試験を開始したと発表した。自転車の運転者の保護を目的とした研究プロジェクトの一環。自動車と自転車間の事故は重大な結果を招きやすく、ボルボ・カーズは交通環境全体の安全性向上の観点から、対自転車の事故回避に向けた取り組みを重視している。

同事業はヨーテボリにあるボルボの研究開発センターで行われている。POCの自転車用ヘルメットをクラッシュ用のダミーヘッドに装着し、静止車両のボンネットに様々な角度や速度で打ち付けて試験する。現行の自転車用ヘルメットの安全試験は自動車と自転車の事故を想定していないことから、同事業では試験方法をより実践的なものにすることを目指している。

ボルボ・カーズがすでに導入している対自転車安全支援システムは、車載カメラとレーダーで自転車を検知し、衝突の危険を警告。緊急時には自動ブレーキが作動する。

ボルボ・カーズの安全技術開発部門を統括するマーリン・エクホルム氏は、「当社が行うテストの目的は、法的要件を満たしたり、等級試験に合格することだけではない。より高度な安全性を実現するために実際の交通環境を活用している」と強調する。

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