独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は18日、VWグループのソフトウエア開発を新部門「Car.Software」に集約すると発表した。5つの中核分野を設け、VWグループ傘下のブランドすべてが利用できるソフトウエアを開発する。同部門に勤務するデジタル分野の専門家は2025年までに5,000人を超える見通し。VWでは現在、車載ソフトウエアの内製率が10%と低く、同割合を2025年までに少なくとも60%に引き上げる計画。
同社は、車両プラットフォームなど、ハードウエアで進めてきた共通化戦略をソフトウエア分野にも広げる。VWグループが販売する年1,000万台を超える新車のソフトウエア・プラットフォームを統一すれば、大幅なコスト削減効果があると見込んでいる。
具体的には、ソフトウエア開発のプラットフォーム戦略により、VWグループの車両に搭載する基幹ソフト(OS)を将来、「vw.os」に統一するほか、クラウドシステム「フォルクスワーゲン・オートモーティブ・クラウド」も共通化する。
例えば、充電スタンドの検索など、どのブランドのモデルにも必要な基本的なソフトウエアを統一プラットフォームに用意する予定。
2025年までにVWグループのすべての新モデルがこの統一プラットフォームを使用するようにする計画で、当該プラットフォームを最初に採用するモデルは、今年のフランクフルトモーターショー(IAA)に出展する「ID.3」となる。
新部門では、「基幹システム&コネクティビティ」、「インテリジェントボディ&コックピット」、「自動運転」、「車両&エネルギーパフォーマンス」、「サービスプラットフォーム&モビリティサービス」の中核となる5分野を設ける。
新部門は年内に約500人の規模でスタートし、2020年には約2,000人体制となる見通し。VWでは、グループ内のソフトウエア分野の従業員を集約するだけでなく、新規採用や、戦略的出資企業の統合、買収、戦略提携などを通して、新たな人材を確保していく方針を示している。