フィンランドの石油化学大手ネステはこのほど、ドイツのデュッセルドルフに新拠点を開設した。世界市場における再生可能なポリマーや化学製品のハブ販売拠点とする。当該事業を一カ所に集約し、今後の事業成長を加速する。なお、生産は引き続き、フィンランド、オランダ、シンガポールの拠点で行う。
ネステはフィンランドのエスポーに本社を置く。従来の石油化学事業に加え、バイオ燃料事業や再生可能な化学製品の生産にも進出しており、例えば、動物性脂肪や漁から得られる脂、レストランの廃棄油などの廃棄物を使用してバイオディーゼル燃料や航空機用バイオ燃料などを生産している。デュッセルドルフのハブ拠点では、石油への依存度の軽減や持続可能性の改善に取り組む企業に向けてバイオマス由来の製品や廃棄プラスチックを再利用した製品を提供していく。
独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、バイオディーゼル燃料の世界生産量は約500万トンで、うちネステは約300万トンを製造している。ネステはシンガポール工場に14億ユーロを投資して生産能力を年450万トンに引き上げる計画。
ネステはドイツではこれまでに、ハンブルク空港やシュツットガルト空港の地上業務車両向けにバイオディーゼル燃料を供給したり、独航空大手ルフトハンザのフランクフルト~ハンブルク間を運行する航空機1,200便や2011年にはフランクフルト~ワシントン間の長距離便にバイオ燃料を供給した実績がある。