英自動車工業会(SMMT)は6月26日、同国の2020年5月の乗用車生産が5,314台にとどまり、前年同月に比べ95.4%減少したと発表した。4月の197台と比べると改善したものの、5月の生産台数では1946年以降で最も少なかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、5月も生産休止を継続した工場があったほか、再開した工場も感染防止対策の実施や需要低迷を受けて生産規模は小規模にとどまった。1~5月の累計は、前年同期比41.7%減の32万4,763台だった。
5月の生産台数のうち、輸出は4,260台だった。主な輸出先は、欧州連合(EU)、米国、中国となっている。国内向けもショールームが営業を休止していた影響を受け、1,054台にとどまった。
SMMTが会員企業を対象に6月に実施したアンケート調査によると、自動車業界では流動資金の確保が課題と回答した企業が全体の70%を占めた。また、政府の救済措置が11月に終了すると、6分の1(約17%)の雇用が危機にさらされる可能性がある。
■ 商用車生産、5月は61.6%減少
SMMTによると、同国の5月の商用車生産は810台にとどまり、前年同月に比べ61.6%減少した。1~5月の累計は、29.8%減の2万2,298台だった。
5月の落ち込み幅は、主要な車両のモデルチェンジにより69.9%減となった2019年5月に次ぐ悪い数字となった。
5月の輸出台数のうち、全体の68.7%が欧州連合(EU)向けだった。
■ エンジン生産、5月は75.0%減少
SMMTによると、同国の5月のエンジン生産は5万5,836基だった。4 月の830基と比べると、大幅に改善しているものの、前年同月比では75.0%減と依然として低水準にとどまっている。
1~5月の累計は、前年同期比41.5%減の65万8,276基だった。