英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)は7月23日、ケンブリッジ大学と共同で非接触式のタッチスクリーン技術を開発したと発表した。画面へのタッチを予測する「プレディクティブ・タッチ」と呼ばれる新技術で、人工知能(AI)とセンサーを用いてユーザーの意図を判断し、画面に触れずにインフォテインメント機器などを操作できるようにした。非接触による病原菌の感染防止効果に加え、ドライバーのわき見を減らすことで安全性の向上が期待される。
同技術の核となるのはスマート家電などで一般的なジェスチャー認識機能で、ユーザーの人物データや操作機器のデザイン、利用環境などの「文脈」情報をアイトラッキング(視線追跡)などのセンサー情報と組み合わせることでユーザーの意図を即時に判断する。例えば悪路走行など振動が大きくタッチスクリーン操作が難しい場合でも、ユーザーが目当てのコマンドに指を向けると「早い段階」でAIが目的を読み取り、動作を実行する。
JLRによると、同技術によりタッチスクリーン操作に必要な時間や労力を最大50%減らせる。