英自動車工業会(SMMT)は8月5日、同国の2020年7月の乗用車新車登録が17万4,887台となり、前年同月に比べ11.3%増加したと発表した。前年同月比で増加したのは今年に入り初めてとなる。
ショールームの営業が全面的に再開したことや、営業休止中に購入できなかった顧客の需要が7月に流れ込んだことが増加の背景にある。多くの自動車メーカーが魅力的な融資条件や柔軟な支払方法などのインセンティブを提供していることも販売増加に寄与した。
7月の顧客別の新車登録は、個人が前年同月比20.4%増と大きく伸びた。大口法人は5.2%増加、小口法人は11.8%減少している。
なお、1~7月の累計は、前年同期比41.9%減の82万8,389台と前年の水準を大幅に下回っている。SMMTは2020年通期の新車登録が前年比で30%減少し、売上高の損失は200億ポンドを超えると予想している。
また、SMMTのマイク・ホーズ会長は、7月は増加に転じたものの、ショールームの全面的な営業が再開したばかりで、たまっていた需要があった効果があることから、9月末までには、増加が長期的な傾向であるかが明確になるだろうとの見通しを示した。また、今後の感染拡大や地域的なロックダウン(都市封鎖)、失業者の増加などの可能性を指摘し、市場は依然として不安定な状態にあるとの見解を示した。