ドイツの乗用車生産、7月は6%減少

独自動車工業会(VDA)によると、同国の国内乗用車生産は7月が前年同月比6%減の33万4,000台、1~7月の累計は前年同期比36%減の182万8,400台だった。輸出は7月が前年同月比15%減の24万2,800台、1~7月の累計は前年同期比36%減の135万9,900台だった。

国内受注は、7月が前年同月に比べ21%増加した。ただ、1~7月の累計では前年同期に比べ22%減少している。国外受注は、7月がほぼ前年並み、1~7月は前年同期に比べ21%減少した。

■ 20年通期の乗用車新車登録、約280万台を予想

VDAのヒルデガルト・ミュラー会長は7月の動向について、「まだ通常の状況とは言えないが、生産が休止していた時期と比べれば回復している。下半期には前年同月比のマイナス幅がだんだんと小さくなっていくと見込んでいる」との見解を示した。

同会長によると、VDAはドイツの2020年通期の乗用車新車登録が、欧州や世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大が収束することを前提に、前年比23%減の約280万台にとどまると予想している。

■ コロナ禍と技術転換、自動車業界にストレス

ミュラー会長はさらに、自動車業界はコロナ禍への対応で大きなストレス下にあると言及した。需要低下による生産能力の調整に加え、電動車や代替燃料車、デジタル化など技術転換への大型投資による財務負担の影響を受けて、今後さらに人員削減を迫られるとの厳しい見通しを示した。また、現在は労働時間の短縮措置などである程度雇用が維持されているが、特に自動車部品メーカーは大きな影響を受けているとコメントした。

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