英自動車工業会(SMMT)は27日、同国の2020年7月の乗用車生産が8万5,696台となり、前年同月に比べ20.8%減少したと発表した。世界各地でロックダウン(都市封鎖)が解除されたほか、ほぼすべての工場が操業を再開しているため、過去3カ月に比べると生産台数は増えているものの、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保するための措置や経済的な先行き不透明感により、生産台数が押し下げられている。1~7月の累計は、前年同期比39.7%減の46万7,053台だった。
7月の生産台数のうち、国内向けは前年同月比37.1%減の1万3,434台、輸出向けは16.8%減の7万2,262台だった。
SMMTのホーズ会長は7月の生産台数について、状況は改善しているものの、自動車業界は現在、景気後退と世界的な感染拡大(パンデミック)との戦いに直面しており、「合意なき離脱(欧州連合(EU)と英国が移行期間終了までに自由貿易協定(FTA)を締結できず、何の取り決めもないまま離脱するケース)」のショックに対応するための時間も余裕もないと述べ、EUと英国政府の双方に対し、包括的なFTAの確実な年内合意を要請した。
■ 商用車生産、7 月は3.6%増加
SMMTによると、同国の7月の商用車生産は前年同月比3.6%増の5234台に改善した。前年同月の生産台数が、主要モデルの移行期にあたり大幅に減少していた背景がある。内訳は、国内向けが2.1%増の2,329台、輸出向けも4.8%増の2,905台と前年同月を上回った。1~7月の累計は前年同期比21.1%減の3万1,655台だった。
■ エンジン生産、7 月は10.6%減
SMMTによると、同国の7月のエンジン生産は、前年同月比10.6%減の17万6,377基にとどまった。内訳は、国内向けが16.6%減の6万6,340基、輸出向けは6.5%減の11万37基だった。1~7月の累計は前年同期比35.2%減の9万9,1334基となっている。