独エネルギー大手のEnBWは24日、電気バスが走行中に充電できるワイヤレス給電(非接触充電)システムの実証試験を実施すると発表した。8月にカールスルーエにあるEnBW の拠点で道路工事を開始し、10月から敷地内で路線バスの運行を開始する予定。
ワイヤレス充電システムはイスラエルの新興企業ElectReonが提供する。地面に埋め込まれた充電設備とバスの車体の下に組み込まれたコイルの間の磁場を利用して給電を行う方式で、地中の充電設備の上を電気バスが走行すると自動的に充電できる仕組み。充電スタンドに長時間停車して充電しなくても長距離を走行できる利点がある。同様のプロジェクトはこれまで、スウェーデンとイスラエルでの2件のみという。
10月にはカールスルーエにあるEnBWの新しい研修センターと公共交通機関を結ぶ構内バスをEnBWの敷地内で運行する。電気バスの定員は80人超で、利用者が多い時間帯には1時間に複数回、運行する。
バス停の建設なども含め工事は年内に完了する予定。将来的には、公共の道路にも試験範囲を広げる計画で、2021年初めからは、EnBWの敷地に隣接する道路にもワイヤレス給電システムの整備を開始する計画。