米配車サービス大手のウーバーが、独自動車大手のBMWとダイムラーの合弁会社が運営するタクシーおよびライドヘイリングサービス「フリーナウ」の買収を検討しているもようだ。ブルームバーグ通信が消息筋から得た情報として報じた。メディア報道によると、合弁会社が運営する他のモビリティサービスについても他社との提携や資本参加の可能性があるもよう。
BMWとダイムラーは、合弁会社YOUR NOWを通して、「フリーナウ」などのモビリティサービス事業を展開している。ブルームバーグ通信によると、ウーバーはフリーナウの買収により、欧州とラテンアメリカにおける市場シェアを拡大することができる。BMWとダイムラーは合弁事業で利益を確保できておらず、当該事業の売却により、中核事業である自動車産業に注力することができる。
ただし、新型コロナウイルスの影響により市場環境が悪化している中、金額交渉で合意できない懸念があり、交渉が決裂する可能性もあると見られている。
■ 資本参加にとどまる可能性も
独日刊紙『南ドイツ新聞』によると、BMWとダイムラーは今回の報道についてコメントを控えているものの、両社の消息筋によると、ウーバーとの協議は進んでおり、数週間後にも決定に至る見通しという。ただ、ウーバーによるフリーナウの完全買収ではなく、資本参加にとどまる可能性もあるという。
また、『南ドイツ新聞』紙によると、YOUR NOWを通して運営するカーシェアリングサービス「シェアナウ」に関しては、ある自動車大手との提携が検討されている。さらに、さまざまな交通機関を連携するマルチモーダル/オンディマンドモビリティサービス「リーチナウ」については、ドイツ鉄道(DB)が過半数出資する可能性があるもよう。