英技術コンサルティング大手リカルドは9日、電気自動車(EV)のバッテリー劣化の軽減に向けた研究開発事業で政府の低公害局(OLEV)から11万2,000ポンドの助成を獲得したと発表した。同事業はコネクテッド技術に基づく管理システムを通じ、バッテリーの寿命と性能、回復力の向上を目指すもの。バッテリー容量の回復と耐用年数の延伸につながると期待されている。プロジェクト期間は6カ月。英政府の産業助成機関「イノベートUK」との提携の一環として行われる。
同事業の主な目標は、(1)コネクテッド機能を通したバッテリー状態の監視・予測用プラットフォームを開発する(2)バッテリー状態の管理に向けた、物理学とデータ駆動方式を合わせた「ハイブリッド」タイプの予測アルゴリズムを研究する(3)前述のハイブリッド・アルゴリズムを用いた管理システムを調整(キャリブレーション)する――の3つ。研究用として車両の仮想フリートを構築し、そこから得られたデータを独自の試験用プラットフォームに提供する形をとる。
リカルドは、同研究がEVバッテリーの高度な監視・予測メンテナンスサービスなどに活用できるとしている。