仏自動車大手のルノー・グループは12日、燃料電池システムや水素関連サービスを事業とする米プラグ・パワーとフランス国内に折半出資の合弁会社を設立する計画について覚書(MOU)を締結したと発表した。同合弁は、自動車用の燃料電池システムのほか、水素燃料、水素充填インフラ、サービスも提供する包括的な事業展開を計画している。また、欧州の小型商用車(LCV)市場における燃料電池車で30%を超えるシェア獲得を目指す。
合弁設立の手続きは2021年上半期末までに完了する見通し。ルノー・グループは新エネルギーや小型商用車に関するノウハウを、プラグ・パワーは燃料電池技術や水素ソリューションのノウハウを合弁会社に提供する。
同合弁は、今後数年で燃料電池車や水素関連ソリューションの開発・製造・販売で欧州におけるキープレーヤーとなることを目指す。急速な成長が見込まれる燃料電池を使用した小型商用車、タクシー、旅客輸送などに製品・サービスを提供していく。
研究開発では、燃料電池技術や現在・将来のルノー・グループのプラットフォームを使用した燃料電池搭載の小型商用車を開発する。当初は大型バンに重点を置く方針。製造においては、フランスで小型商用車向けの燃料電池スタックや燃料電池システムを製造する。水素充填システムも提供する計画。販売においては、自動車だけでなく、水素充填ステーション、水素燃料、サービスも提供し、事業者における燃料電池車の利用を促進する。