スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは12日、同国の港湾都市イェーテボリのイニシアチブ「イェーテボリ・グリーンシティーゾーン」に参加すると発表した。同市は2030年までに気候中立(クライメートニュートラル)都市となる目標を掲げている。イニシアチブ「イェーテボリ・グリーンシティーゾーン」では、市内に完全にエミッションフリーのエリアを設け、さまざまな移動手段モデルや、ネットワーク化されたインフラ設備などを試験導入する計画。
ボルボ・カーズは同イニシアチブへの参加により、電動車、シェアリングモビリティ、自動運転、通信技術(コネクティビティ)、安全技術などの新しい技術やサービスの開発を加速する。具体的には、指定エリア内では電気駆動のみの制限速度内で走行するシステムや、道路インフラとの連携による安全性の向上や他の道路ユーザーとの情報共有などの技術を試験する計画。ボルボ・カーズの完全子会社ボルボ・カー・モビリティーがロボットタクシーを運営する計画もある。
同イニチアチブは2021年春に始動し、段階的に規模を拡大していく計画。
子会社ボルボ・カー・モビリティーは最初のサービス「M」を2019年に開始した。ステーション型のカーシェアリングサービスで、人工知能(AI)を活用したプラットフォームを通して利用状況などを分析している。これにより、車両の配置などを最適化し、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)や利用率の向上を目指している。同子会社はストックホルムの本社のほか、地域オフィスをイェーテボリとマルメに持つ。従業員数は約150人。