英自動車生産、1月は27.3%減少

英自動車工業会(SMMT)は2月26日、同国の2021年1月の乗用車生産が前年同月比27.3%減の8万6,052台となり、2009年1月(6万1,404台)以来の最低の水準になったと発表した。乗用車生産の減少は17カ月連続となる。

生産台数の大幅な減少には、シャットダウン(店舗閉鎖)の長期化など継続的な新型コロナウイルスの感染拡大防止措置、世界的なサプライチェーンの問題、英国のEU離脱(ブレグジット)による物流の混乱など、複数の要素が影響している。

1月は、国内向け(18.3%減)、輸出向け(29.1%減)のいずれも大幅に落ち込んだ。全体の80%超を占める輸出のうち、主要輸出国・地域であるEU向け、米国向け、アジア向けのいずれも2ケタの減少だった。

SMMTによると、2020年3月以降の自動車生産の減少による自動車業界の損失は113億ポンドに上る。SMMTのマイク・ホーズ会長はこのような状況の改善に向けて、政府に対し、ショールームの営業再開を求めるとともに、中・長期的には、バッテリー工場の建設誘致やサプライチェーンの改善など、英国への投資促進や自動車産業の競争力強化に向けた支援措置の必要性を訴えた。

なお、SMMTによると、電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)を合わせた代替燃料車の生産は前年同月比18.9%増の2万1,792台に拡大した。1月の乗用車生産のうち代替燃料車が全体の25.3%を占めている。

■ 商用車生産、1月は31.5%減少

SMMTによると、同国の2021年1月の商用車生産は、前年同月比31.5%減の5,616台にとどまった。4 カ月連続の減少であり、2015年1月(5,443台)以降で最も少なかった。国内向け(28.8%減)、輸出向け(33.6%減)のいずれも大きく低迷している。

■ エンジン生産、1月は29.3%減少

SMMTによると、同国の2021年1月のエンジン生産は、前年同月比29.3%減の16万8,291台だった。エンジン生産は13カ月連続の減少となる。国内向け(27.2%減)、輸出向け(30.8%減)のいずれも大幅に減少した。

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