独自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンは9日、800ボルトの高電圧システムに対応した電気自動車(EV)用ドライブトレインのコンポーネントの量産を開始すると発表した。800ボルトの電源システムは従来の400ボルトシステムと比べ充電時間とエネルギー効率で勝る。同社は駆動部品に炭化ケイ素(SiC)半導体を使用したパワーエレクトロニクスを採用することにより、800ボルトシステムの性能を最大限に引き出す。同部品は主にプレミアムセグメントやスポーツカー向けに、欧州と中国で生産する。
SiC半導体はこれまで一般的に車載インバーターに使われてきたシリコン(Si)半導体と比べ、同等の性能レベルを保ちながらエネルギー効率を大幅に向上できる。これを800ボルトの高電圧システムに組み込むことで、400ボルトに比べて充電時間の短縮や航続距離の延伸といったメリットが見込める。
ZFはEVレース「フォーミュラe」にSiC半導体を採用したパワーエレクトロニクスを提供している。