独自動車大手のBMWグループは12日、傘下の投資会社BMW iベンチャーズを通して米新興企業のボストン・メタルに資本参加したと発表した。同社への出資は、サプライチェーンにおける二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた取り組みの一環。ボストン・メタルは自動車製造に不可欠な鉄鋼の生産におけるCO2排出量をゼロにすることが可能な技術を持つ。
ボストン・メタルは、電気を使用して鉄鋼を製造する溶融酸化物電気分解(MOE)技術の特許を保有している。使用する電気を再生可能エネルギーにすれば、CO2を排出せずに鉄鋼を製造することができる。同社は今後数年以内に、当該技術のパイロットプラントを建設する計画。
BMWはリサイクルによるCO2削減にも取り組んでいる。打ち抜き・切断加工で発生した鉄鋼部材を再利用したり、仲介業者を通して鉄鋼メーカーへ送り、再び加工し直したりしている。鋼鉄部材の二次利用は、一次製品に比べてCO2を大幅に削減できるほか、天然資源の保護やエネルギー消費量の削減にも寄与する。