蘭デジタル地図大手のヒア・テクノロジーズは12日、位置情報共有ハブ「ヒア・マーケットプレイス」に米気象情報サービス企業のカスタムウェザーが参加すると発表した。様々な業界のソフトウエア開発者向けに、世界の気象や気候に関する正確なデータへのアクセスを可能とする。データの利用企業は位置情報と気象データを組み合わせることにより、サービスの強化や刷新につながるソリューションを開発できるようになる。
モビリティ関連をはじめ、輸送や物流、エネルギー・公益事業、保険などの分野で、以下のような活用を想定する。
◇モビリティ分野:車が搭載する先進運転支援システム(ADAS)に、同ハブを通じて正確な気象予報や警報を取り込めるようにする。これにより、極端な気温や湿度が電気自動車(EV)のバッテリーに及ぼす影響を踏まえて航続可能距離や充電のタイミングなどを適切に判断できるようになる。
◇輸送・物流分野:フリート管理者は強風や大雨といった悪天候が予想される場合の運行計画と対応が可能になる。また、日照に関するデータから路面の温度とタイヤの摩耗の相関関係が分かる。
◇エネルギー・公益事業関連:過去の気象データの分析を踏まえたサービス提供や調整、悪天候への的確な備えなどが可能になる。
◇保険:大雨洪水予測と分析を通じ、短期から長期の想定リスクを可視化できるようになる。
カスタムウェザーのフリント最高経営責任者(CEO)は、「位置情報と気象データは非常に相関性が高い。ヒア・マーケットプレイスは我々が持つ気象に関する洞察と応用性に適合している」と話す。