独高級スポーツカーメーカー、ポルシェのオリバー・ブルーメ社長は4月25日付の独『フランクフルター・アルゲマイネ(日曜版)』紙に掲載されたインタビュー記事の中で、ドイツのテュービンゲンにポルシェンのバッテリーセル工場を建設する計画を明らかにした。VWグループのバッテリー工場からも電池を調達するものの、テュービンゲン工場では高性能バッテリーに特化したセルを生産する計画としている。
ブルーメ社長は同インタビューの中で、「我々は電動車(エレクトロモビリティ)において競合と差別化するための中核技術は何かを考えており、バッテリーセルは重要な役割を担う」との考えを示している。
また、テュービンゲンに工場を建設する理由については、「テュービンゲンのあるバーデン・ヴュルテンベルク州のような高賃金の立地でもバッテリーセルを生産できることを示したい。この地域には極めて優秀な人材が多くいるほか、カールスルーエ技術研究所やBASFなどの材料分野で重要な役割を担う優れたパートナーがいる」とコメントした。また、「バッテリーセルはドイツの自動車産業にとって、開発および生産を国内に保持すべき中核技術であり、ポルシェはその際、先駆的な役割を担いたい」とも言及した。
■EV「タイカン」、新規顧客の開拓に寄与
ブルーメ社長によると、ポルシェの電気自動車「タイカン」の2021年第1四半期(1~3月)の販売台数は、ポルシェの「911シリーズ」とほぼ同水準だった。「タイカン」の納期は現在、約半年で、「911シリーズ」と変わらないという。
また、タイカンの販売台数のうち、ポルシェの顧客は約50%で、残りの約50%は初めてポルシェを購入する人が占めており、電気自動車が新たな顧客開拓に大きく寄与しているという。