ボルボカーとSSABが提携、水素燃料利用の製鉄計画で

スウェーデンの乗用車大手ボルボカーと鉄鋼大手SSABは16日、化石燃料を使わない高品質の鋼板開発で協力すると発表した。同国の鉄鋼業界が進める化石燃料フリーの水素還元製鉄計画「ハイブリット(HYBRIT)」の一環で、自動車産業向けの鋼板開発と製造を目的とする。ボルボカーは同計画に参加する初めての自動車メーカーとなる。

ハイブリットプロジェクトはSSABと国営の鉄鉱石採掘企業LKAB、エネルギー大手バッテンフォールの3社が共同で立ち上げた。従来のコークスに代わり水素を還元剤として使う製鉄技術を確立し、商業ベースでの実用化を目指している。水素は再生可能エネルギーから生成されるため、バリューチェーン全体の脱炭素化に寄与する。 ボルボカーはSSABとの提携の一環としてスウェーデン北部のルレオにある「ハイブリット」施設で作られた水素還元鉄をテストカーやコンセプトカーに活用することを計画している。

SSABは2026年までにカーボンフリーの鋼材を市場に流通させる目標を掲げる。ボルボカーはカーボンフリーの鋼材を量産車に採用する世界初の自動車メーカーになることを目指している。

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