独フォルクスワーゲン(VW)傘下の商用車大手スカニア(スウェーデン)は1日、IT業務から発生する二酸化炭素(CO2)排出を削減するため、米アマゾンのインターネットサービス部門であるアマゾン・ウェブサービス(AWS)と提携すると発表した。持続可能性を高めるための全社的な取り組みの一環。IT部門における持続可能性についての業績評価指標(KPI)を透明化し、環境に与える影響について個々の従業員が洞察を深めることで排出量の削減につなげていく。
スカニアのコネクテッド車両は現在約50万台が稼働しており、その規模は急速に拡大している。それに伴い必要なIT業務も増えていることから、同業務が環境に与える影響を評価した上で対策を講じる必要があると判断した。
具体的には、同社が利用しているAWSのクラウドサービスの使用状況レポートと、社内データをもとにしたサービス指標に基づき、1時間単位の精度でKPIを作成する。IT部門のエンジニアはそれを踏まえて管理システムを開発し、クラウド上で作動するvCPU(仮想CPU)の利用者あたりの使用時間データなどを共有できるようにする。
スカニアによると、同アイデアは社内のハッカソン(システム開発イベント)「スカニア・ハック」を通じて生まれた。同社では、環境負荷の低い効率的なITソリューションを確立することで、事業全体のコスト削減も可能になるとみている。