VW、自動車の海上輸送にLNG船を追加投入

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は14日、自動車の海上輸送にLNG(液化天然ガス)を燃料とするカーキャリアー船を4隻追加投入すると発表した。二酸化炭素(CO2)の排出量を差し引きでゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに実現するという目標に向けた取り組みの一環。環境負荷の少ないLNGを燃料とする船舶を導入し、物流事業における温室効果ガスと有害物質の排出量の削減を推進する。

今回導入するLNG船は、エンジンに独MAN Energy Solutionsの2ストローク・デュアルフューエルエンジン(13,300kW)を搭載する。同エンジンは、高圧噴射技術によりメタンスリップ(未燃焼のメタンガス漏出)がほとんどないのが特長。速力(エコスピードモード)は15~16ノット(28~30km/h)。積載能力は、約4,400~4,700台。VWによると、同LNG船は一般的な輸送船に比べ二酸化炭素(CO2)排出量を最大25%、窒素酸化物(NOx)を同30%、ディーゼル粒子を同60%、硫黄酸化物(SOx)を100%削減できるという。

同社は2020年にもLNG船(2隻)を就航させている。今回の追加投入により、北大西洋で運航予定のVWの自動車運搬船9隻のうち6隻がLNG船となる。新造船は2023年末から北米ルート(ドイツ・エムデン港~メキシコ・ベラクルス港)に投入する。

なお、VWはLNG船投入にあたり、スウェーデンの船舶会社Wallenius Marine(ワレニウス・マリン)とノルウェーの船舶会社SFL Corporation(シップ・ファイナンス・インターナショナル コーポレーション)と長期の傭船契約を締結している。4隻は中国の造船会社が建造する。

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