仏のワクチン接種義務化法案可決、世論への配慮で原案修正

フランス議会は7月26日、医療従事者などに新型コロナウイルスワクチンの接種を義務付ける法案を可決した。ただ、未接種の場合の罰則を緩めるなど、猛反発する国民に配慮する内容となった。

仏マクロン大統領は7月12日、インド型(デルタ型)変異ウイルスの感染が広がる中、ワクチン接種が頭打ちの状況となっていることから、医療従事者や介護関係者に接種を義務付けると発表した。また、飲食店や商業施設、映画館、劇場に入る際や長距離の列車、バスや航空機を利用する場合に、ワクチン接種または陰性、感染からの回復を証明する「健康パス」の提示を義務付ける方針も打ち出した。

同措置をめぐっては、ワクチン接種の強制に反発する動きが広がり、パリなど各地で大規模なデモが起きていた。議会でも野党が過半数を占める上院で厳しすぎるとの声が出た結果、修正法案が可決された。

原案では医療従事者などが接種を拒否した場合、解雇される可能性があったが、職務停止にとどまる。また、飲食店などの事業者に、顧客の健康パスと同時に身元確認もチェックすることを義務付ける条項が削除された。

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