独フォルクスワーゲン(VW)傘下の商用車大手スカニア(スウェーデン)は18日、英国で実施される架線給電式道路(eロード)の実証事業に参加すると発表した。同国の道路貨物輸送の脱炭素化に向けたもので、プロジェクト期間は今月から9カ月。独シーメンス・モビリティのハイブリッド(HV)トラック向け架線給電インフラ「eHighway」をベースに、長距離トラックによる実地の物流活動を通じて実現可能性を探る。2030年代までに国内の幹線道路への導入を目指している。
eロードでは道路の上部に敷設した架線からハイブリッド(HV)車両などがパンタグラフを使って電力の供給を受けて走行する。スカニアはすでにドイツ、スウェーデン、イタリアで実施されている同様の実証事業にパンタグラフを装備したHVトラックを提供している。
同事業ではスカニアとシーメンス・モビリティのほか、英エンジニアリング企業のアラップ(ARUP)およびコステイン(Costain)など複数の企業、ケンブリッジ大学とヘリオット・ワット大学の共同研究機関である「持続可能な道路輸送の研究センター」(The Centre for Sustainable Road Freight)などとコンソーシアムを結成し、英政府の産業助成機関「イノベートUK」から資金支援を受けている。