スウェーデン鉄鋼大手SSAB、化石燃料フリーの製品をボルボに供給

スウェーデン鉄鋼大手のSSABは8月18日、ボルボグループに化石燃料を使わない高品質鋼板の供給を開始したと発表した。同国の鉄鋼業界が進める化石燃料フリーの水素還元製鉄プロジェクト「ハイブリット(HYBRIT)」の一環で、ボルボは同鋼板を活用する初の自動車メーカーとなる。

ハイブリットプロジェクトはSSABと国営の鉄鉱石採掘企業LKAB、エネルギー大手バッテンフォールの3社が共同で立ち上げた。従来のコークスに代わり水素を還元剤として使う製鉄技術を確立し、商業ベースでの実用化を目指している。水素は再生可能エネルギーから生成されるため、バリューチェーン全体の脱炭素化に寄与する。

同プロジェクトではスウェーデン北部のルレオにある「ハイブリット」製鉄施設で水素還元鉄を生産している。SSABは2026年までにカーボンフリーの鋼材を市場に流通させる目標を掲げる。同社によると、ハイブリット製鉄技術はスウェーデン国内の二酸化炭素(CO2)総排出量を約10%、フィンランドでは7%削減できる可能性がある。

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