スウェーデンの新興電気トラックメーカー、ボルタ・トラックスは8日、オーストリアのシュタイヤー・オートモーティブ(旧:MANトラック・アンド・バス・オーストリア)と生産委託契約を締結したと発表した。シュタイヤー・オートモーティブは、オーストリアのシュタイヤーで2022年末に、ボルタ・トラックスの電気トラック「ボルタ・ゼロ」の生産を開始する。
「ボルタ・ゼロ」は、16トンの純粋な電気トラックで、都市部での貨物輸送向けに開発された。1回のフル充電による航続距離は150~200キロメートルとなっている。ボルタ・トラックスは2022年半ばに顧客による実証試験を行い、2022年末には量産を開始する計画。
シュタイヤー・オートモーティブは、ボルタ・トラックスが欧州全域を対象に実施した入札に参加し、受託生産契約を獲得した。今回の契約により、シュタイヤーでは最大500人の雇用が創出される見通し。サプライチェーンも含めると、さらに2,000人の雇用創出を見込んでいる。
ボルタ・トラックスは2021年5月に発表した戦略「Road-to-Zero Emissions」の中で、7.5~19トンの「ボルタ・ゼロ」4モデルを市場投入し、2025年までに生産規模を年2万7,000台以上とする方針を明らかにした。
当該戦略では環境負荷を低減するため、販売市場に近い場所で電気トラックを製造する方針も示している。同社は当初、欧州の都市部で販売を開始する計画であり、中でもロンドンとパリを最初のターゲット市場に位置づけていることから、オーストリアでの生産は最適な生産拠点になるとの見解を示している。将来は、北米やアジア市場への参入も視野に入れている。