英石油化学大手のイネオスは9月22日、スコットランド中部グレンジマスにある製油所の脱炭素化事業に10億ポンド(約1,500億円)以上を追加投資すると発表した。水素を動力源として稼働する体制を整備する。
グレンジマスの施設はスコットランドで唯一の製油所で、温室効果ガスの大きな排出源となっている。イネオスは同製油所を石油大手BPから取得した2005年以降に、動力源を重油から天然ガスに切り替えるなどして、二酸化炭素(CO2)排出量を37%削減したが、さらなる削減に向けて、天然ガスから抽出した水素を動力とする。投資には水素生産で生じるCO2の回収・貯留プロジェクトも含まれる。
スコットランド自治政府は、2045年までにCO2排出を実質ゼロとする目標を掲げている。これにイネオスは同調し、30年までにグレンジマス製油所のCO2排出を60%削減する計画だ。その実現に向けて、すでに5億ポンドを投じ、排出量が少ない新型発電所を開設するプロジェクトを進めている。