仏ルノー、硫酸ニッケルの調達でフィンランドのテラフェームと合意

仏自動車大手のルノー・グループは8日、フィンランドの非鉄金属メーカー、テラフェームと、電気自動車(EV)のバッテリー向けの硫酸ニッケルの調達で合意したと発表した。競争力と持続可能性を兼ね備えた「欧州産EV」を提供するルノーの戦略の一環。年最大15ギガワット時の容量(EV30万台分)に相当する硫酸ニッケルの供給を受ける。両社は提携を通じてニッケルのバリューチェーンにおけるトレーサビリティ(追跡可能性)を向上させ、取引の透明化も図る。

硫酸ニッケルはリチウムイオン電池の正極材の原材料となる。テラフェームは同金属を、微生物による金属抽出技術「バイオリーチング」により生産している。同技術は溶剤を用いる化学的手法に比べて製造コストと環境負荷が低いうえ、同社の製法では業界平均に比べ使用エネルギー量が約90%少ない。同社は採鉱から最終素材品までを同じ工業用地で一貫生産しており、他に類を見ない持続可能性と追跡可能性を実現している。

ルノーは3月、バッテリーに含まれる希少金属(レアメタル)の再利用強化に向け、複合公益企業ヴェオリアおよびベルギー化学大手のソルベイと提携したと発表した。8月には独・オーストラリア系のリチウム生産会社バルカン・エナジー・リソーシズと供給契約を締結した。

上部へスクロール