独自動車部品大手のボッシュは10月29日、半導体の生産能力拡大に向けて2022年に4億ユーロ超を投資する計画を発表した。半導体の需要拡大に対応した措置で、ドイツのドレスデン工場とロイトリンゲン工場の生産能力を拡大するほか、マレーシアのペナンに半導体の新しい試験センターを建設する。
投資の大部分は、300ミリメートルのウエハーを生産するドレスデン工場に投資する。同工場は6月に開設したばかり。今回の投資拡大により、生産能力拡大の取り組みをさらに加速する。
ロイトリンゲン工場には5,000万ユーロを投資する。同工場には2021~2023年に総額1億5,000万ユーロを投資してクリーンルームを増設する。2023年末までに計4,000平方メートルの新しいクリーンルームを完成させる。
マレーシアのペナンには生産した半導体チップやセンサーを試験するための新しい試験センターを建設する計画で、2023年から操業を開始する予定。
■ ロイトリンゲン工場、クリーンルームの面積を拡張
ロイトリンゲン工場ではクリーンルームの面積を現在の3万5,000平方メートルから、2段階に分けてさらに4,000平方メートル増設する計画を進めている。
第1段階はすでに終了しており、200ミリメートルウエハーの生産面積を1,000平方メートル拡張し、計1万1,500平方メートルに拡大した。オフィス用のスペースをクリーンルームに転換し、既存のウエハー工場と橋で連結した。9月から新しい生産スペースで生産を開始している。これにより、200ミリメートルウエハーの生産能力はこれまでに比べ約10%拡大した。この拡張工事には2021年に5,000万ユーロを投資した。
第2段階では、2023年末までにクリーンルームの面積をさらに3,000平方メートル拡張する。2022年と2023年にそれぞれ5,000万ユーロを投資する計画。
ロイトリンゲン工場ではこのほか、半導体の開発に携わる従業員を150人増員する。