スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは11月23日、ベンチャーキャピタル部門のボルボ・カーズ・テック・ファンドを通して光学・画像技術のスタートアップ企業スペクトラリクス(Spectralics、イスラエル)に出資したと発表した。将来性が有望な革新技術を取り込み、自動車の安全性向上や全く新しいドライブ体験の創出に役立てる。
スペクトラリクスは航空宇宙技術分野向けに素材からハード・ソフトウエアまで最先端の画像処理技術や光学インフラ技術を開発している。中核技術の一つである多層薄膜コンバイナー(MLTC)は、様々な形状やサイズの透明な部材表面に貼付できる薄膜光学フィルム。フロントガラスやサイドガラスに貼ることで、ガラス上に画像を表示することができる。
特にフロントガラスに組み込むことにより、視野の広いヘッドアップディスプレイとしての機能を持たせ、現実の景色に仮想の物体を投影することができる。ほかに、車内のセンサー装置や、三次元画像をデジタルで再生するデジタルホログラフィック・プロジェクションなどへの活用が想定されている。
スペクトラリクスはスウェーデンのヨーテボリを拠点とするアクセラレータプログラム「MobilityXlab」やイスラエルの「DRIVE」に参加している。