欧州で人口の半数がオミクロン感染、今後6~8週間で=WHO

世界保健機関(WHO)のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は11日、欧州では今後6~8週間で人口の半数以上が新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン株」に感染する恐れがあるとの見通しを示した。一方、ワクチンの有効性も強調し、各国にワクチン接種を促進するよう呼びかけた。

同事務局が「欧州」としているのは、管轄下の53カ国。ロシア、イスラエル、トルコや旧ソ連邦の中央アジア諸国も含まれる。

クルーゲ事務局長は記者会見で、これらの国々では2022年の第1週に700万人以上が新型コロナに感染したことが新たに確認され、新規感染者が2週間で2倍以上に増えたと指摘。26カ国では10日時点で毎週、人口の1%以上が感染しており、オミクロン株の出現で「かつてない規模で感染が広がっている」と懸念を示し、このペースで感染拡大が続くと、53カ国の人口の過半数が6~8週間にオミクロン株に感染する恐れがあると述べた。

一方、同局長はデンマークでは最近の新型コロナ感染者のうち、ワクチン未接種者の入院率がワクチン接種を完了した人の6倍に達しているなど、既存のワクチンがオミクロン株にも一定の効果があり、感染しても重症化や死亡のリスクが抑えられると指摘。各国によるワクチン接種促進、屋内でのマスク着用義務化など基本対策徹底の必要性を強調した。ワクチン接種に関しては、特に医療従事者、高齢者などを優先し、追加接種(ブースター接種)も含めて進めるよう呼びかけた。

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