英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)は16日、車載コンピューティングシステムの開発で米半導体大手エヌビディアと提携すると発表した。人工知能(AI)を活用したエヌビディアの自動運転プラットフォーム「エヌビディア・ドライブ」をベースとする技術を、2025年以降に発売する「ジャガー」と「ランドローバー」のすべてのモデルに搭載する。これにより、事故を未然に防ぐアクティブセーフティ、自動運転および自動駐車、先進運転支援システム(ADAS)や、乗員のモニタリング、車両環境の視覚化など広範な技術の採用が可能になる。
エヌビディアの最新SoC(システムオンチップ)「エヌビディア・ドライブ オーリン(NVIDIA DRIVE Orin)」を実装したプラットフォームシステム、「エヌビディア・ドライブ ハイペリオン(NVIDIA DRIVE Hyperion)」を搭載する。JLRによると、オーリンは自動運転やデジタル機能を制御する「頭脳」に、ハイペリオンは自動運転車両の自律的な機能を担う「中枢神経系」にあたる。同プラットフォームはソフトウエアの無線更新機能(SOTA)により常時アップデートされる。
JLRは自動運転に必要なシミュレーションの精度を高めるため、自社で収集したビッグデータをエヌビディアのディープラーニング(深層学習)用スーパーコンピューター「DGX」で解析し、AIの学習に活用する。
両社は取引額について明らかにしていない。