スウェーデンの新興電池企業ノースボルトは15日、ドイツ北部のシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州のハイデにバッテリー工場を建設すると発表した。生産能力は60ギガワット時(GWh)。これは電気自動車約100万台分に相当する。新工場では、生産工程に再生可能エネルギーを使用した環境フットプリントの低いリチウムイオン電池を生産し、欧州市場向けに供給する計画。2025年に生産を開始する見通しで、約3,000人の新規雇用を見込んでいる。
ノースボルトはハイデに新工場の建設を決めた理由について、ドイツ北部は陸上・洋上風力発電設備が多いことに加え、デンマークとノルウェーから再生可能エネルギーを調達可能なインフラが整うことを挙げている。また、ドイツは人材が豊富で、地理的に顧客に近いことも決定要因となったと説明している。
ノースボルトは2030年までに原材料に占めるリサイクル材料の割合を50%に引き上げる目標を掲げている。同目標の実現に向け、新工場には、使用済みの車載電池を再利用するための設備も用意する計画。
メディア報道によると、新工場の建設投資は約40億ユーロ。新工場はすでに、ノースボルトに20%を出資しているフォルクスワーゲン(VW)のほか、BMW、ボルボから受注を確保している。