高級スポーツカーメーカーのポルシェは4日、リチウムイオン電池のアノード材を開発する米新興企業のグループ14・テクノロジーズ(以下、グループ14)に資本参加すると発表した。これにより、次世代バッテリーセルに使用する高性能の部材を確保する。
グループ14はこのほど、投資ラウンド(Cシリーズ)を実施し、複数の企業から総額で4億米ドルを確保した。うち、ポルシェは1億米ドルを投資している。今回調達した資金は、新工場の建設に充てる。年内に米国で新工場の定礎式を行う予定。
グループ14は、米ワシントン州のウッディンビルに本社を置く。同州ではすでにアノード材を商業規模で生産しており、2022年には韓国で新工場が操業を開始する予定。
グループ14は将来、ポルシェと独カスタムセルズが2021年にドイツのテュービンゲンに設立した電池セルの合弁会社セルフォース・グループに製品を供給する予定。
セルフォース・グループは2024年から独自に開発した高性能電池セルの生産をドイツで開始する計画。この高性能電池セルにはシリコン系のアノード材を使用する計画で、小規模生産モデルやモータースポーツ、ハイパフォーマンスのモデルに供給する予定。セルフォース・グループの電池セルは、ポルシェの電動車にも採用されるとの見通しを示している。